2026.1.31

2000年代を代表するロック・バンド、マルーン5(Maroon 5)。彼らの名前を世界に知らしめた「This Love」を、ラジオやお店のBGMで一度は耳にしたことがあるはずです。

この曲、実はギターよりも何よりも「ピアノ」が一番の立役者なんです。曲の冒頭から最後まで貫かれる、あの歯切れの良いピアノの音。今回は、ピアノの和音がどんな魔法をかけているのか、その舞台裏をのぞいてみましょう。

1. まるで打楽器!心臓を叩くようなピアノのリズム


「This Love」のピアノを聴いてまず感じるのは、その「キレ」の良さです。普通、ピアノの和音といえば「ジャーン」と響かせるイメージがありますが、この曲では「ッジャン! ッジャン!」と短く、叩きつけるように弾かれています。

これを専門用語で「スタッカート」と呼びますが、この弾き方によってピアノがドラムのような「リズム楽器」の役割を果たしているんです。

この力強い連打があるからこそ、ボーカルのアダム・レヴィーンのハイトーンボイスがよりいっそう際立ち、聴いている私たちは自然と首でリズムをとってしまう。ピアノが曲の「心臓」として機能している、素晴らしい例だと言えます。

2. ただの音じゃない?「お洒落」を生み出す和音の色彩

なぜ「This Love」はこれほどまでにお洒落に聞こえるのでしょうか? その秘密は、使われている和音(コード)の種類にあります。

一般的なロックやポップスでは、明るい響きの「メジャーコード」や、暗い響きの「マイナーコード」をシンプルに使い分けることが多いのですが、マルーン5はそこに一工夫加えています。

  • セブンスコードの活用: 通常の和音に「少しの濁り」を加えたお洒落な響き。
  • テンションノート: ジャズでよく使われる、少し都会的で複雑な音の重なり。

これらの音が絶妙に混ざり合うことで、「かっこいいけれど、どこか切ない」「ワイルドだけど洗練されている」という、あの独特の雰囲気が生まれているのです。ピアノでこの和音を一発鳴らすだけで、部屋の空気がガラッと変わるような、そんな力を持った音たちです。

3. ロックなのにジャジー。絶妙なジャンルのミックス

「This Love」をジャンル分けしようとすると、意外と難しいことに気づきます。ロックの力強さもあり、ファンクのノリもあり、そしてジャズの気品もある。

ピアノの和音進行(コードの順番)を見てみると、実はジャズやソウルミュージックでよく使われるパターンが多用されています。

白鍵と黒鍵を複雑に組み合わせた和音の動きが、ロック特有の「まっすぐさ」にいい意味での「ひねり」を加えているんですね。この「ジャンルのいいとこ取り」をピアノ一台で表現してしまっているのが、この曲が20年以上経っても古臭くならない最大の理由かもしれません。

4. 自分でも弾いてみたい!初心者が「This Love」を楽しむコツ

「こんなお洒落なピアノ、自分には絶対無理……」そう思う必要はありません。実は、この曲をピアノで楽しむための「初心者向けの裏ワザ」があります。

それは、右手の複雑な和音はとりあえず置いておいて、「左手でリズムを刻む」ことから始めることです。

練習の順番 具体的なやり方
ステップ1 まずは曲に合わせて、左手で低い音を「ッタン! ッタン!」と叩いてみる。
ステップ2 右手で2〜3音だけの簡単な和音(省略形)を押さえてみる。
ステップ3 原曲のスピードにこだわらず、ゆっくり自分のペースでリズムを刻む。

完璧にコピーしようとするよりも、あの「ノリ」を自分の指で再現してみることが、ポップスピアノを楽しむ一番の近道です。

まとめ|「This Love」のピアノは情熱の鼓動

マルーン5の「This Love」は、ピアノという楽器がいかにエネルギッシュで、かつスタイリッシュになれるかを教えてくれる一曲です。

「打楽器のようなリズム」「お洒落な和音のスパイス」「ジャンルを超えた融合」。これらが組み合わさることで、私たちはイントロの数秒だけで心を鷲掴みにされてしまうのです。

次にこの曲を聴くときは、ぜひ「ピアノの音色」のキレに注目してみてください。きっと今まで以上に、この曲の虜になってしまうはずですよ。


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