2026.1.30
マカロニえんぴつの「なんでもないよ、」を聴いていると、なんだか胸がぎゅっとなるような、不思議な懐かしさと安心感に包まれませんか?
ボーカルのはっとりさんの歌声が素晴らしいのはもちろんですが、その背景を支える「コード(和音)」の動きが、聴き手の感情を巧みにナビゲートしているんです。今回は、ピアノで弾いてみるとより鮮明に見えてくる「なんでもないよ、」の秘密を、3つのポイントに絞ってご紹介します。
目次
1. 切なさの正体!「上昇進行」の魔法
この曲のサビを聴いて「なんだか胸がきゅっとなる」と感じる理由。それは、コードが順番に高くなっていく、上昇進行です。
度数に直すと「1-3-4-5」の順番でコードが展開しており、これは最も安定したコード(1)から、不安定なコード(5)に向かって、ゆっくりと階段を上っているような状態です。
このパートは、ミュージックビデオの中で主人公が立ち上がるシーンと重なり、胸を締め付ける感覚をより強くしています。
2. 煮え切らない感じを出すコード進行
「そんなんじゃなくて」「そんなんでもなくて」と歌い、最後は「なんでもないよ」で終わらせる煮え切らなさは、コード進行でも表現されています。
前述の「1-3-4-5」の後は、dim(ディミニッシュ)やm7-5(マイナーセブンスフラットファイブ、ハーフディミニッシュ)というコードが使用され、はっきりしない感じが音でも伝わってきます。
時折使われるB/D#のようなオンコード(分数コード)は、ベースの動きを滑らかにするだけでなく、コードが本来持つ機能をあいまいにする効果も持っています。
「はっきりしてよ!」ともどかしくなる気持ちを演出しているのも、コード進行の力なのです。
ディミニッシュコードについて知りたい方はこちら!
3. 「あえて音を止める」引き算の美学
コード進行そのものと同じくらい重要なのが、その「鳴らし方」です。
イントロやAメロを思い出してみてください。ピアノの音が「ジャーン」と鳴り響くのではなく、パッと止まったり、空間が空いていたりしますよね。
実は、音楽において「音がない瞬間」は、音がある瞬間と同じくらい重要です。この曲では、あえて音を止める(ブレイクさせる)ことで、はっとりさんの言葉の一つひとつがより際立って聞こえるよう計算されています。
饒舌に語りすぎないからこそ、聴き手はその余白に自分の思い出を重ね合わせてしまう。これが、多くの人がこの曲を「自分のための曲だ」と感じてしまう魔法の正体かもしれません。
4. ピアノで弾くと、曲の「骨組み」が手に取るようにわかる
「なんでもないよ、」をピアノで練習してみると、面白いことに気づきます。それは、この曲が非常に「ピアノ的な発想」で作られているということです。
ギターでももちろん素敵ですが、ピアノの広い音域を使うと、低い音の力強さと高い音の繊細さが対比され、曲のドラマがより鮮明になります。
難しそうに聞こえるかもしれませんが、実は基本となるコードは限られています。まずは左手で「ド、レ、ミ…」といった単音を押さえるだけでも、この曲の持つ圧倒的なエネルギーを感じることができますよ。
まとめ|「なんでもないよ、」が教えてくれる音楽の楽しさ
マカロニえんぴつの「なんでもないよ、」の魅力は、「上昇進行による切なさ」と「緻密なコードの隠し味」、そして「空間を活かしたリズム」の完璧なバランスにあります。
音楽理論を知らなくても心は動きますが、その裏側にある「秘密」を知ると、次にこの曲を聴いたときの景色がまた違って見えるはずです。
もしあなたが「この曲を自分で奏でてみたい」と思ったなら、それは新しい冒険の始まりです。ピアノの鍵盤を一つ叩くたびに、この曲に込められた温かな魔法を自分の手で感じてみてくださいね。
「なんでもないよ、」を自分の手で奏でてみませんか?
「好きな曲をピアノで弾けたらいいな」その夢、Hanaポップスピアノが応援します!
複雑な理論は後回し。まずは「楽しい!」という気持ちを大切に、
あなたに合ったペースで大好きなポップスをマスターしましょう。

