2026.2.8

オーケストラの配置を見ると、ピアノはバイオリンなどの弦楽器の近くに置かれることもあれば、打楽器の近くに陣取ることもありますよね。
「ピアノって、中には弦がいっぱい張ってあるから弦楽器じゃないの?」
「でも、鍵盤を叩いて音を出すから太鼓と同じ打楽器な気もするし……」

この疑問、実は音楽の世界でも面白いテーマなんです。今回は、ピアノの正体が「弦」なのか「打」なのか、そのスッキリする答えを紐解いていきましょう。

結論!ピアノは「鍵盤楽器」であり「打弦楽器」

ピアノの最も一般的な分類は、ピアノやオルガンと同じ「鍵盤楽器」です。しかし、音が出る仕組みに注目すると、弦を叩いて音を出す「打弦(だげん)楽器」という、弦楽器と打楽器の両方の性質を併せ持ったユニークな楽器と言えます。

補足解説

楽器の分類法にはいくつかありますが、最も厳密な「ホルンボステル=ザックス分類法」では、ピアノは「弦鳴楽器(弦の振動で音が出るもの)」の中に分類されます。
とはいえ、演奏者が直接弦に触れず、鍵盤というインターフェースを介して操作するため、日常生活や音楽教育の場では「鍵盤楽器」と呼ぶのが最もスムーズです。

「打楽器」としての顔:ハンマーが弦を叩く仕組み

ピアノが「打楽器」の仲間だと言われる理由は、その音を出す瞬間の動きにあります。

補足解説

ピアノの鍵盤を押し下げると、中では「ハンマー」という羊毛(フェルト)を固めた部品が跳ね上がり、金属製の弦を勢いよく叩きます。
この「何かを叩いて振動させる」という行為そのものは、ドラムや木琴などの打楽器と全く同じ原理です。

  • 打撃の強さ: 鍵盤を叩くスピードがそのまま音の強弱になる。
  • リズムの明快さ: 立ち上がりの音がはっきりしているため、リズムを刻む能力に長けている。

「弦楽器」としての顔:長く響く美しい振動

ピアノの内部

一方で、ひとたび音が出た後は、ピアノは極めて「弦楽器」らしい振る舞いを見せます。

補足解説

ピアノの中には200本以上の鋼鉄製の弦が張られており、叩かれた後の振動が長く続くように設計されています。
また、ペダルを使うことで他の弦も共鳴させることができ、これはバイオリンやギターなどの弦楽器が持つ「豊かな響き」と共通しています。

  • 共鳴の魔法: 一つの音を出すと、楽器全体が弦の振動で共鳴する。
  • 歌うような表現: 叩く瞬間の後は、弦の自然な減衰によって「歌うような」なめらかな旋律を奏でることができる。

楽器の分類表で見るピアノの立ち位置

ピアノがどこに分類されるか、他の楽器と比較すると分かりやすくなります。

分類名 特徴 代表的な楽器
弦楽器 弦を弓でこすったり、指で弾く バイオリン、ギター
打楽器 膜や板を叩いて鳴らす 太鼓、シンバル
鍵盤楽器 鍵盤を操作して音を出す ピアノ、チェンバロ

まとめ|ハイブリッドだからこそ表現できる魅力

結局のところ、ピアノは「弦楽器の美しさ」を「打楽器のエネルギー」で操る、魔法のような鍵盤楽器だと言えるでしょう。
打楽器のように力強くリズムを刻むこともできれば、弦楽器のように繊細にメロディを紡ぐこともできる。この多才さこそが、ピアノが「楽器の王様」と呼ばれる所以かもしれません。

次にピアノを弾くときは、「今は打楽器みたいに元気よく!」「ここは弦楽器みたいに響かせて……」とイメージを変えてみると、表現の幅がグッと広がるはずですよ。


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