クラシック音楽の歴史を彩る「ピアノの魔術師」たち。その中でも、19世紀のパリで出会ったフレデリック・ショパンとフランツ・リストの二人は、切っても切れない不思議な縁で結ばれていました。

一方は、繊細で内向的、サロンを愛した「ピアノの詩人」ショパン。もう一方は、圧倒的な技巧とカリスマ性で女性たちを失神させた「ピアノのロックスター」リスト。正反対の個性を持つ二人が、どのように出会い、惹かれ合い、そして決別していったのか……。今回は、音楽の教科書には載っていない(かもしれない)、二人のドラマチックな人間模様を覗いてみましょう!

1. 運命の出会い:パリのサロンは二人の独壇場だった

1831年、ショパンが故郷ポーランドを離れ、芸術の都パリにやってきたとき、リストはすでに街の人気者でした。リストは、ショパンの類まれな才能をいち早く見抜き、社交界に彼を紹介します。いわば、リストはショパンにとって最高の「プロデューサー」でもあったわけです。

初期の二人は、本当の兄弟のように仲が良かったと言われています。リストの豪快な演奏と、ショパンの繊細な響き。パリの貴族たちは、この二人の天才が競演する姿を見て、「ピアノの神様が二人もいる!」と熱狂しました。当時の手紙には、お互いの才能を称え合う温かい言葉が並んでいます。若き日の二人が肩を並べてピアノを弾く姿……想像するだけで、19世紀のパリにタイムスリップしたくなりますね。

2. 友情のピーク:リストがショパンに嫉妬した?

二人の関係を物語る有名なエピソードがあります。ある日、リストがショパンの作品を、得意の「リスト流・超絶技巧アレンジ」で派手に弾いて見せたときのこと。ショパンはこう言ったそうです。「私の曲を弾くなら、楽譜通りに弾いてくれ。そうでなければ弾かないでほしい」と。

一方で、リストはショパンの「繊細なタッチ」を自分には出せないものとして、密かに憧れ、嫉妬していたという話もあります。リストが暗い部屋でショパンの真似をして弾き、友人たちを驚かせたというエピソードも残っていますが、真偽のほどは定かではありません。しかし、無敵のロックスターだったリストでさえ、ショパンの唯一無二の感性には一目置いていたのは間違いなさそうです。

3. 亀裂の予感:ある「スキャンダル」の噂

そんな完璧に見えた二人の友情に、暗雲が垂れ込めます。原因は女性関係だったという説が有力です。
有名な(しかし正確性は少し怪しい)エピソードとして、「リストがショパンの留守中に、ショパンのアパートを密会場所として使った」というものがあります。潔癖なショパンがこれを知って激怒し、二人の仲は修復不可能になった……なんて言われていますが、これは後世の作り話だという意見も多いです。

ただ、事実としてショパンの恋人だったジョルジュ・サンドと、リストのパートナーだったマリー・ダグー伯爵夫人の仲が悪化したことが、二人の距離を広げたのは確かでしょう。天才たちの友情も、周囲の人間関係や小さな誤解で崩れてしまう……。なんだか、現代の芸能ニュースを見ているような生々しさがありますね。

4. 決別とその後:亡き友へ贈ったリストの伝記

結局、二人は和解することなく、ショパンは39歳の若さでこの世を去ります。リストはショパンの葬儀には参列しなかったと言われていますが、彼の死後、ショパンについての回想録(伝記)を執筆しました。

その内容は、ショパンへの賛辞と愛に満ちたものでした。生前は素直になれなかったリストが、ペンを取ることで亡き友への敬意を表現したのかもしれません。リストは晩年までショパンの楽譜を手元に置き、敬愛し続けました。たとえ疎遠になっても、魂の深いところでは繋がっていた。そんな切ない「友情の形」が、そこにはあったのです。

5. まとめ|ポップスにも通じる「ライバル」の美学

ショパンとリスト。彼らの関係は、現代のポップス界における「人気バンドのボーカルと天才ギタリスト」の関係に似ているかもしれません。お互いの才能を認め合い、時にはぶつかり、嫉妬し、それでも一人では辿り着けない高みを目指す。

二人の物語を知ってから彼らの曲を聴くと、ただ美しいだけの旋律が、もっと情熱的で人間臭いものに聞こえてきませんか? ピアノという楽器を通して火花を散らした二人の天才。そのドラマは、200年経った今も、私たちの心を震わせる名曲の中に生き続けています。

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