2025.9.18
卒業式や合唱コンクールで涙とともに歌われる名曲、「旅立ちの日に」。
日本の学校音楽を語る上で欠かせない合唱曲の一つですが、実はプロの作曲家ではなく、一人の中学校教員の手によって生まれた歌だということをご存じでしょうか。
そしてこの曲を支えているのが、合唱と同じくらい存在感のあるピアノ伴奏です。
この記事では、「旅立ちの日に」の誕生から合唱曲としての広がり、そして伴奏の魅力に迫ります。
目次
- 「旅立ちの日に」とはどんな曲?
- 誕生の背景──秩父の中学校から始まった物語
- 歌詞とメロディが伝える普遍的なメッセージ
- 合唱曲として全国に広がった理由
- ピアノ伴奏の役割──歌を支える「もう一つの声」
- 伴奏者が意識したいポイント
- まとめ──ピアノがあってこその「旅立ちの日に」
1. 「旅立ちの日に」とはどんな曲?
「旅立ちの日に」は、1991年に埼玉県秩父市立影森中学校で誕生した合唱曲です。
作詞は当時の校長・小嶋登、作曲は音楽教諭・坂本浩美。卒業生への贈る歌としてつくられ、その後口コミのように全国の学校へ広がっていきました。
今では「大地讃頌」「翼をください」と並ぶ“卒業式三大合唱曲”の一つといっても過言ではありません。
2. 誕生の背景──秩父の中学校から始まった物語
この曲が誕生したのはバブル崩壊直後の1991年。
当時の影森中学校では、校長の小嶋登氏が「生徒たちに心の糧となる歌を残したい」と願い、音楽科の坂本浩美先生に作曲を依頼しました。
初演はその年の『3年生を送る会』で、教職員によるサプライズで歌われました。この歌は卒業生や関係者の心に深く残ったと語り継がれています。
3. 歌詞とメロディが伝える普遍的なメッセージ
歌詞はとてもシンプルです。
いま、別れのとき 飛び立とう 未来信じて
──特別な言葉はなくても、卒業式という場面で歌うと、不思議と心に刺さります。
旋律も難しくなく、誰でも覚えやすい。けれどサビで大きく高揚し、最後に「このひろい 大空に」と歌い上げる瞬間は、まるで光に包まれるような感覚を与えてくれます。
4. 合唱曲として全国に広がった理由
- 教育音楽の雑誌や合唱コンクールで取り上げられた
- 教科書にも採用され、多くの学校で合唱レパートリーに加わった
- 生徒だけでなく教員や保護者の心にも強く響いた
こうして、「旅立ちの日に」は全国の卒業式や合唱イベントで歌われるようになり、今や“国民的合唱曲”の一つとなりました。
5. ピアノ伴奏の役割──歌を支える「もう一つの声」
さて、本題のピアノ伴奏についてです。
「旅立ちの日に」の伴奏は、ただ和音を支えるだけではなく、合唱のもう一つの声のように働いています。
前奏では「これから歌が始まるよ」と舞台を整え、サビでは歌声を後押しし、間奏では過去と未来に思いをはせる余白をつくる。
つまり、ピアノは歌と対話しながら進んでいくのです。
伴奏の特徴① 和音の流れでつくる温かさ
この曲の伴奏は、基本的にはシンプルなコード(和音)進行に基づいています。
しかしその和音を分散して鳴らすことで、温かく包み込むような響きを生み出しています。
たとえば、前奏のフレーズがその一例です。
特に低音から高音までつかって動き回るピアノは、卒業を前にした生徒たちの複雑な心境とも重なり、感動的な雰囲気を盛り立てています。
伴奏の特徴② 強弱で描く感情のうねり
「旅立ちの日に」の伴奏は、強弱の変化がとても大きいのも特徴です。
- 弱い音では「別れの寂しさ」
- 強い音では「未来への希望」
これをピアノ一台で描き分けるからこそ、歌声に感情が乗りやすくなります。まるで映画のBGMのように、場面ごとの雰囲気を鮮やかに切り替えるのです。
6. 伴奏者が意識したいポイント
- テンポを安定させる:卒業式の緊張感の中で合唱は揺れがち。伴奏が軸になること。
- 呼吸を合わせる:歌う生徒たちのブレスに寄り添い、自然な揺れを許容する。
- 歌を包み込む音色:強すぎて歌を覆わず、弱すぎて埋もれない、バランスが重要。
伴奏者にとっては責任重大ですが、その分やりがいのある曲でもあります。
7. まとめ──ピアノがあってこその「旅立ちの日に」
「旅立ちの日に」は、秩父の一つの中学校から全国に広がった奇跡のような合唱曲です。
そしてその感動を何倍にも大きくしているのが、ピアノ伴奏の存在です。
和音の流れで温かさを作り、強弱で感情の波を描き、歌と対話しながら未来への扉を開いていく。
合唱とピアノが一体となる瞬間、そこにいる全員の胸に“卒業”というドラマが刻まれるのです。
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