2025.9.1

ピアノなのにピアノらしくないとは、これいかに。


目次

  1. はじめに:「ピアノらしくない」ピアノ曲とは
  2. ピアノなのに打楽器に変身
  3. ピアノで宇宙を表現
  4. ピアノなのにノイズや環境音に
  5. ピアノで工場を再現
  6. 「ピアノっぽさ」とは何かを考える
  7. まとめ:ピアノは無限に変身できる楽器

1. はじめに:「ピアノらしくない」ピアノ曲とは

ピアノと聞いて、あなたが思い浮かべるのはどんな曲でしょうか。
例えば、ショパンの「ノクターン」や「英雄ポロネーズ」は有名ですね。
ほかにも、ベートーヴェンのピアノソナタ「月光」や、リストの「愛の夢」など、枚挙に暇がありません。

これらの曲が人気であることを考えると、多くの人がピアノに対して持つイメージが見えてきます。
それは、美しいメロディと和音を奏でる、優雅な楽器というイメージです。

もちろん、ピアノ曲にだって、勇ましいもの、荒々しいもの、陰鬱なものなどは沢山ありますが、いつも独特の上品さが付きまとうものです。

ところが、長い歴史の中では、ピアノは作曲家たちにさんざん実験台にされてきました。
時には打楽器、時には怪物のうめき声、また時には工場の騒音にまで変身させられたのです。

「それ本当にピアノ?」と耳を疑うような作品たちが、20世紀以降の音楽界にはゴロゴロしています。

この記事では、そんな“ピアノっぽくない”ピアノ曲たちを集めてご紹介します。


2. ピアノなのに打楽器に変身

ジョン・ケージ《プリペアド・ピアノのためのソナタとインターリュード》

アメリカの作曲家ジョン・ケージは、ピアノをただの鍵盤楽器とは見ていませんでした。
彼はピアノの弦の間にボルトや消しゴム、木片を挟み込み、まるでマリンバや太鼓のような音を作り出しました。
このように加工したピアノを、「プリペアド・ピアノ」と呼びます。

結果として、ピアノから鳴るのは「コツッ」「ガシャッ」「ポンッ」といった不思議な打楽器サウンド
当時の聴衆は唖然としたと言われています。

「ピアノを打楽器にしてしまった男」──それがケージです。

ちなみに、ケージはピアノを一切弾かないという驚愕の作品「4分33秒」を生み出したことでも知られています。
常識を疑い、新しい表現を追い続けるのがジョン・ケージという作曲家なのです。


3. ピアノで宇宙を表現

ジョージ・クラム《マクロコスモス》

クラムはピアノの弦に直接触れることで、宇宙表現しようと試みた作曲家です。

マクロコスモス 第1巻、第2巻》は、黄道十二宮(よく占いで使われる星座)をモチーフとした曲で構成される作品です。
弦を指ではじいたり、紙を押し付けたり、グラス棒でなぞったり……。
およそ普通とは言えないような奏法のオンパレードです。

その音はまるでギター、ハープ、さらには民族楽器のよう
聴いていると「鍵盤って必要なの?」と思ってしまうほどです。

ピアノという楽器が「ハンマーで弦を叩く仕組み」である以上、直接弦に触れてしまうのは理にかなっているといえるかもしれません。
ただ、そのアイデアから数十曲の作品を作り上げてしまったことには驚嘆するばかりです。


4. ピアノなのにノイズや環境音に

ヘンリー・カウエル《The Banshee(妖女)》

ここでは、ピアノはもう楽器ではなく「怪物の声」です。
ピアノの弦を手でなぞったり、爪で引っかいたりして、幽霊のうめき声のような音を作り出します。

クラムの作品でも登場した、弦に直接触れる表現技法のことを、内部奏法と呼んだりします。
文字通り、ピアノの内部に触れる演奏方法ということですね。

タイトルの「バンシー」はケルト神話の妖精で、死を告げる女性の精霊。
不気味な効果音のような音楽は、現代のホラー映画のサウンドデザインを先取りしているとも言われています。


5. ピアノで工場を再現

フレデリック・ジェフスキー《ウィンスボロ綿工場のブルース》

この曲は、アメリカ南部の工場労働歌を基に作られています。
冒頭からピアノは、工場の機械が動くような「ガガガガ」という連打音を叩き出します。
まるで鍵盤が工場の歯車になったかのよう。

やがてそこにブルースの旋律が浮かび上がり、人間の歌と機械のノイズがせめぎ合います。
「ピアノで社会を描く」──そんな大胆な試みがここにはあるのです。


6. 「ピアノっぽさ」とは何かを考える

ここまで見てきたように、ピアノは「メロディと和音を奏でる楽器」という常識をあっさり裏切ります。
でもよく考えてみれば、ピアノは弦楽器(弦を張っている)であり、打楽器(ハンマーで叩く)であり、共鳴体を持つ箱モノ楽器でもある。

つまり、ピアノはそもそも“多重人格”を抱えた楽器なのです。
ショパンやモーツァルトが「歌うピアノ」を書いた一方で、ケージやクラミが「実験するピアノ」を書いたのは、楽器そのものの可能性を最大限に試した結果と言えるでしょう。


7. まとめ:ピアノは無限に変身できる楽器

この記事で紹介した作品は、ほんの一部です。
まだまだ「ピアノっぽくない」曲は世界中に存在します。

  • 打楽器のようにリズムを刻むピアノ
  • 弦楽器や民族楽器に化けるピアノ
  • ホラー映画顔負けのうめき声を出すピアノ
  • 工場の騒音を再現するピアノ

一口にピアノ曲といっても、その世界は限りなく広いのです。

さて、ピアノの可能性を追求した作曲家たちも、その根本にはピアノへの深い理解が隠れています。
圧倒的な写実性の先にキュビスムにたどり着いたピカソのように、一見奇抜な表現の裏には、卓抜した基礎力があるのです。

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カテゴリー: コラム

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