「ピアノ、ちょっと弾けたらいいな」
そう思って始めたピアノ。楽譜も動画もたくさんあって、今の時代は独学でも十分…のように見えます。
でも現実には、なかなか進まない、途中で挫折してしまう人が多いのも事実。
実際に指導の現場にいると、「続けられない理由」はある程度パターン化されています。
今回は、そんな“つまずきの正体”と、それを乗り越えるための「仕組みづくり」についてお話しします。
よくある3つの“落とし穴”
ピアノの独習で多くの人がハマる落とし穴、それは次の3つです。
- 片手ずつ練習しない
→ いきなり両手で弾こうとしてグチャグチャになる - ゆっくり練習しない
→ 本来のテンポで無理に弾こうとして崩れる - 弾けない部分の分析・部分練習をしない
→ 弾けない箇所をスルーして毎回同じところでつまずく
どれも「面倒くさい」「早く気持ちよく弾きたい」という気持ちから起こるものです。
でも、ピアノの練習って、実は「がまん」と「工夫」の積み重ねなんです。
続けられる人がやっている「仕組み」とは?
ではどうすれば、そうした“練習から逃げるパターン”を回避できるのか。
ポイントは、自分の意思に頼らない「環境のチューニング」です。
1. 朝に5分だけ練習する
夜は疲れているし、「やらなきゃ」と思っても手が動きません。
でも朝の5分間、ちょっとだけ鍵盤に触る習慣をつけると、不思議と精神が落ち着いて、集中力が上がります。
この「朝のリセットタイム」が、ピアノを弾くためのメンタル準備になります。
2. 目標を“細かく、短く”設定する
「一曲弾けるようになる」ではなく、
「今日は左手のコード進行のパターンだけ」といった1日5分で終わる小さな目標を設定しましょう。
クリアできると達成感が得られ、「明日もやろうかな」と思えるようになります。
3. どうしても進まない部分は「記録」してみる
スマホで弾けていない部分を録音してみましょう。
客観的に自分の演奏を聴くことで、「どこが問題か」「どんな動きが苦手か」が見えてきます。
すると、自然と頭で分析しながら練習するようになってきます。
練習とは“精神統一”の時間である
ピアノの練習というのは、単に音を出すだけではありません。
そこには、心を整える作用があります。
朝の静かな時間に、深く呼吸しながらゆっくり片手ずつ練習する。
この積み重ねは、ピアノの上達だけでなく、日々の生活にも静かな集中をもたらしてくれます。
本当に上達したいなら、プロの指導を受けてみるという選択
もちろん、独学でも上達する人はいます。
でも、遠回りをせず、確実に、効率よく上達したいなら、一度プロの先生に見てもらうのがベストです。
特に、
- 自分では気づけない“手の使い方”
- 無意識の癖
- 効率の良い練習方法
これらは、短時間のレッスンでも劇的に変わることがあります。
最近は、月1回やオンラインでのレッスンなど、負担の少ないスタイルも増えています。
「自分を変えたい」と思ったら、思い切って相談してみるのも一つの手です。
おわりに:がんばらない、でも続けるために
ピアノの練習は、「努力」よりも「工夫」と「習慣」が大事です。
やる気がなくても弾ける環境、続けられる仕組みを先につくってしまいましょう。
そして、ちょっと弾けるようになったときのあの嬉しさを、何度も味わってください。
その積み重ねが、いつか一曲まるごと弾ける喜びにつながっていきます。
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