2025.9.19
Official髭男dism、通称ヒゲダン。
今や日本のポップスシーンを代表する存在となった4人組バンドです。
そのサウンドの中心にあるのがピアノであることは、ファンなら誰もがうなずくところでしょう。
今回は、ヒゲダンの楽曲におけるピアノの役割、演奏の魅力、そしてボーカル&ピアノを担当する藤原聡さんの表現力にスポットを当てます。
目次
- ヒゲダンの音楽はなぜピアノが主役級なのか
- 「115万キロのフィルム」──冒頭のピアノで心をつかむ
- 「Subtitle」──泣ける伴奏の真骨頂
- 「Cry Baby」──鍵盤で支える疾走感
- ライブで光るピアノの存在感
- まとめ:ピアノがあるからヒゲダンは特別
1. ヒゲダンの音楽はなぜピアノが主役級なのか
Official髭男dism(ヒゲダン)のサウンドは、結成当初からピアノを中心に作られてきました。
ボーカル&ピアノを担当する藤原聡さんは、幼少期からクラシックピアノを学び、高校時代には吹奏楽部でパーカッションを経験した経歴を持っています。このバックグラウンドが、ヒゲダンの楽曲におけるリズム感とピアノアレンジの豊かさを支えています。
また、ヒゲダンはギターロックバンドと異なり、編成にピアノ(キーボード)が常設されているため、楽曲の土台からピアノの音色が前提になっています。作曲は藤原さんが行うことが多く、デモ段階からピアノで曲が組み立てられているケースも多いと本人がインタビューで語っています。
そのためヒゲダンの楽曲では、ピアノは単なる伴奏にとどまらず、メロディの提示や曲の空気感づくりを担う主役級の存在として機能しているのです。イントロや間奏でピアノが印象的に響く曲が多いのも、このバンドの大きな特徴といえます。
2. 「115万キロのフィルム」──冒頭のピアノで心をつかむ
この曲にはイントロがなく、藤原さんの歌とピアノで、弾き語りのように始まります。
シンプルなコード弾きで構成された伴奏ですが、これは「物語」の始まりとして大きな役割を果たしています。
ピアノのみで演奏されていることにより、コード進行の美しさも際立ちます。使われているコードには複雑なものも混ざっていますが、音数を極限まで減らすことで濁らず響くのですね。
バンドが揃って入ってくる壮大な幕開けも、思い返せば冒頭のピアノによって演出されていたのです。
3. 「Subtitle」──泣ける伴奏の真骨頂
ドラマ『silent』の主題歌として話題になった《Subtitle》。
この曲のピアノは、ほとんど語りかけるようなタッチで始まります。
低音域の優しい和音、間を生かしたシンプルなフレーズ。聴いているだけで、胸の奥をぎゅっとつかまれるような感覚になります。
0:24あたりの、ピアノの音が一瞬途切れるポイントは聴きどころ。藤原聡さんのペダルさばきや音量のダイナミクスが絶妙で、まるで曲全体が呼吸しているかのようです。ピアノが歌詞以上に感情を伝える役割を果たしています。
4. 「Cry Baby」──鍵盤で支える疾走感
ピアノが活躍するのは、バラードだけではありません。複雑な転調を繰り返しながら進行する「Cry Baby」のようなロックも、ピアノがあることによって深みが増しています。
この曲の中で、ピアノがよく聞こえるのはBメロです(動画参照)。全体的に力強い演奏が展開されていく「Cry Baby」の中で、しとしとと雨の降るようなピアノのフレーズが登場します。まさに、直前の「予報通りの雨に」という歌詞とのつながりを感じますね。
さらに、ヘビーなギターサウンドがふっと途切れた後の、2:24から始まる「傘はいらないから」というパート。ここでは、Bメロと同じメロディが歌われており、それを支える伴奏もピアノ主体になっています。
「Cry Baby」におけるピアノは、雨と、さらには流した涙をも象徴しているのかもしれません。
5. ライブで光るピアノの存在感
ライブで聴くヒゲダンのピアノは、CD以上に迫力があります。
《I LOVE…》の冒頭で、ピアノの音がホールいっぱいに響き渡った瞬間、客席からため息が漏れるほど。
ピアノソロから始まるアレンジも多く、会場全体が静まり返るあの一瞬。まさにライブならではの魔法です。
そこから一気にバンドサウンドが加わると、鳥肌ものの高揚感が押し寄せます。
6. まとめ:ピアノがあるからヒゲダンは特別
ヒゲダンの楽曲が多くの人の心を打つ理由。それは、メロディや歌詞が素晴らしいからだけではありません。
ピアノが曲全体の空気を作り、感情をダイレクトに届けているからこそ、私たちは何度でも聴きたくなるのです。
ピアノは、ヒゲダンの音楽における「もう一人の語り手」。
藤原聡さんが鍵盤を押すたび、曲が命を吹き込まれ、聴く人の心を揺さぶる──。
ヒゲダンを語るとき、ピアノ抜きでは語れないのです。
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