スタジオジブリの映画音楽は、美しいメロディーと豊かな和声が特徴で、多くのピアノ愛好者にとって憧れのレパートリーです。しかし、ジブリの楽曲を演奏する際には、連続するオクターブ奏法や左手のアルペジオなど、特有の技巧が求められることがあります。本コラムでは、具体的な楽曲に触れながら、それらの奏法を攻略するためのポイントを解説します。
1. 連続オクターブ奏法の攻略:「風のとおり道」(となりのトトロ)

『となりのトトロ』の「風のとおり道」では、右手のメロディーラインに連続するオクターブ奏法が登場します。このオクターブ奏法を安定して弾くためには、以下のポイントを意識しましょう。
- 手首の柔軟性を保つ:手首が硬いと、オクターブを連続で弾くときに疲れやすくなります。リラックスした状態で演奏しましょう。特に、手首の脱力を意識しながら、一定のリズムでゆっくりとしたテンポから練習することが重要です。
- 指の配置を工夫する:親指と小指(または薬指)を使う際に、指の角度を調整しながら滑らかに動かすことが重要です。力の入れすぎを防ぐために、指の支点を意識しながら弾きましょう。
- 脱力とスタッカート練習:一度に全てのオクターブを弾こうとせず、スタッカートで練習しながら適切なタッチを身につけましょう。また、異なる速度での練習を取り入れることで、コントロール力が向上します。
2. 左手の跳躍を伴うワルツの伴奏:「人生のメリーゴーランド」(ハウルの動く城)

『ハウルの動く城』のメインテーマ「人生のメリーゴーランド」では、左手の跳躍を伴うワルツの伴奏音型が楽曲全体を支えています。この伴奏を美しく演奏するためには、以下の点に注意しましょう。
- 左手の跳躍をスムーズに:左手の動きを最小限に抑えながら、跳躍を正確に捉える練習をしましょう。指の独立性を高めるために、分散和音のエクササイズを取り入れるのも効果的です。
- リズムの安定感を意識する:ワルツの伴奏は流れるように演奏することが重要です。メトロノームを使いながら、一定のリズムで練習しましょう。左手のリズムが崩れると、全体の安定感が損なわれるため、テンポを一定に保つことを意識してください。
- 手首と腕の脱力を意識する:力が入りすぎると跳躍がぎこちなくなるため、リラックスした状態で演奏しましょう。跳躍の際には、腕の動きを利用し、手首を柔らかく保つことで滑らかに移動できるようになります。
3. 左手のアルペジオと右手のオクターブ奏法:「アシタカとサン」(もののけ姫)

『もののけ姫』の「アシタカとサン」では、左手の流れるようなアルペジオと右手のオクターブ奏法が特徴的で、ダイナミクスの変化が求められます。この曲を演奏する際は、以下の点を意識しましょう。
- 左手のアルペジオをなめらかに:左手のアルペジオは、指の動きをスムーズに保ち、音が途切れないように意識しましょう。指を独立して動かす練習を取り入れ、スケール練習も併用すると良いでしょう。
- 右手のオクターブはリラックスして:手首を柔らかく保ち、無駄な力を入れずにオクターブを弾くことで、安定した演奏が可能になります。テンポの変化にも対応できるよう、ゆっくりとした練習から徐々に速度を上げる方法がおすすめです。
- ダイナミクスの変化を大切に:クレッシェンドやデクレッシェンドを意識し、楽曲の感情の流れを表現しましょう。特に強弱のコントロールを意識し、指先のタッチを変えることで表現力を高めることができます。
まとめ
ジブリのピアノ楽曲を演奏するには、連続オクターブ奏法や左手のアルペジオなど、さまざまな技巧が求められます。しかし、適切な練習方法を取り入れることで、これらの技術を習得し、より表現力豊かな演奏が可能になります。今回紹介したポイントを意識しながら、ジブリ音楽の世界を存分に楽しんでください!