「ピアノのペダルって3本あるけど、真ん中って何のためにあるの?」 そんな疑問を持ったことはありませんか?特にポップスやJ-POP中心でピアノを習っていると、右(ダンパー)と左(ソフト)は使うけど、真ん中のペダルの出番はほとんどないという人も多いはずです。
その真ん中のペダルこそが「ソステヌートペダル」。 クラシックや一部映画音楽で効果的に使われることがあり、正しく知っておくと「表現の幅が広がる」奥深いペダルです。
本記事では、「ポップス中心で弾いているけど、ソステヌートペダルも気になる!」という方のために、仕組み・歴史・使われる曲・ポップスへの応用・電子ピアノでの扱いまでわかりやすく解説します。
目次
- ソステヌートペダルとは?仕組みと役割
- ソステヌートペダルの歴史と誕生背景
- クラシックでの使用例と名曲紹介
- ポップス・映画音楽でのソステヌートペダル活用
- 電子ピアノ・アップライトでの注意点
- ソステヌートペダルを練習に取り入れるコツ
- Hanaポップスピアノ教室でペダル表現を学ぼう
ソステヌートペダルとは?仕組みと役割
ソステヌートペダルとは、ピアノの中央にあるペダルで、「踏んだ瞬間に鳴っている音だけを伸ばす」機能を持っています。
右のダンパーペダル(サステインペダル)が「すべての音を響かせる」のに対し、ソステヌートは一部の音だけを選んで響かせ続けることができます。
例えば:
- 左手で低音の「ド」を弾いて、その音だけを残したい
- でも右手は普通に短く演奏したい
- そんなとき「ド」を弾いてすぐにソステヌートを踏めば、その音だけが残る
つまり、特定の音を保持したまま、他の音を自由に弾けるというわけです。
これはバラードや空間的な響きを作る際に役立ちますが、使用シーンが限定的であるため、初心者がまず覚えるべきペダルではありません。
それでも「この音だけ響かせたい」という場面で使えると表現の幅が広がるのは確かです。
ソステヌートペダルの歴史と誕生背景
実は、昔のピアノにはソステヌートペダルは存在しませんでした。 クラシック後期(ロマン派~印象派)あたりから、「特定の音だけ残したい」という作曲のニーズが増えたことにより、このペダルが導入されました。
特にドビュッシーやラヴェルのような「響き」を重視する作曲家によって、その存在価値が高まりました。 そのため、ソステヌートペダルはクラシックの後期以降に必要とされた“新しい表現のためのペダル”と言えます。
クラシックでの使用例と名曲紹介
クラシックでは頻繁に使われるわけではありませんが、「特定の音の持続音が必要な曲」で使われることがあります。
例:
- ドビュッシー『映像(Images)』
- ラヴェル『水の戯れ』
- メシアン『幼子イエスに注ぐ20の眼差し』
特にドビュッシーなどの印象派作品では、「低音を残しつつ、上の音を浮遊させる」ような演奏効果が求められるため、ソステヌートペダルが活躍します。
ポップス・映画音楽でのソステヌートペダル活用
ポップスにおいて、ソステヌートペダルが明確に指定されることは多くありません。 しかし、映画音楽や劇伴系バラードでは「低音だけ響かせたまま右手を自由に」という構成が出てきます。
例として挙げられるジャンルや作曲家:
- 久石譲(ジブリ作品のピアノアレンジ)
- 坂本龍一『Merry Christmas Mr. Lawrence』
- King Gnuの「白日」アレンジでの空間的な響き
※ただし、これらも「ソステヌート必須」ではなく、場合によってはダンパーペダルを使うタイミングや指使いで代替可能です。
✅ 結論:多くのポップスピアニストは「使えるとカッコいいが必須ではない」ペダルとして認識しています。
電子ピアノ・アップライトでの注意点
実は、すべてのピアノにソステヌートペダルが搭載されているわけではありません。
- アップライトピアノ → 真ん中のペダルが「弱音ペダル」になっている場合が多い
- 電子ピアノ → ソステヌート機能が疑似的に搭載されているモデルもあるが、機能は限定的
- 低価格モデル → 第3ペダル自体がなく、サステインペダルのみ
つまり、「真ん中がソステヌートとは限らない」という点には注意が必要です。
ソステヌートペダルを練習に取り入れるコツ
もしソステヌートペダルを使えるピアノがある場合、まず以下のステップで練習してみましょう。
- 低音の「ド」を押さえた状態でソステヌートペダルを踏む
- ドから手を離す → 響きは残る
- 右手で短いメロディーを自由に弾く
この「響きの残し方」の感覚がつかめてくると、「ここだけ伸ばしたい」という発想につながります。 ただし、使いすぎると不自然になるため、あくまでポイント使いが基本です。
Hanaポップスピアノ教室でペダル表現を学ぼう
Hanaポップスピアノ教室では、ソステヌートペダルのような専門的なペダルだけでなく、ポップスで「感情を伝えるためのペダリング」も丁寧にサポートします。
「使うべき場面」と「使わなくても代替できる方法」を両方理解すると、あなたの演奏は格段に柔軟になります。
自分の演奏を“ただ弾く”から“音で表現する”ステージへ。ペダルの奥深い世界を一緒に探ってみませんか?
まとめ:ソステヌートペダルは「知っていると表現の幅が広がる」ペダル
ソステヌートペダルは、ピアノの中でも使用頻度が高いとは言えません。 しかし、「特定の音だけを残しつつ他の音を弾く」という独特な表現は、クラシックや映画音楽、ポップスの繊細なアレンジで活きてきます。
- 必須ではないけれど、知っておくと世界が広がるペダル
- アップライト・電子ピアノでは搭載されていない場合も多い
- 感覚を理解しておくと、ダンパーペダルの使い方にも良い影響がある
「使う・使わない」ではなく、「いつ使えるか知っていること」が音楽表現の自由度につながります。気になる方は、少しずつ試してみましょう!


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