作曲家の逸話、知りたくないですか?
音楽家の“人となり”をのぞいてみませんか?
「クラシック音楽」と聞くと、多くの人がちょっとかしこまった印象を抱くかもしれません。背筋が伸びるような、ちょっとだけ緊張するような、そんな雰囲気。でも実際にその曲を作った人たちは、案外、とても人間味あふれる、むしろちょっと変わったクセのある人ばかりだったりするんです。
今回はそんな“クラシック音楽の巨匠”たちの、ちょっと笑えて、驚いて、もしかしたら共感できるような逸話をいくつかご紹介します。音楽の知識がまったくなくても大丈夫。肩の力を抜いて、楽しんでいただけたら嬉しいです。
目次
- ベートーヴェン:実力を見せつける即興バトル
- モーツァルトとムクドリ:鳥と交わした旋律の秘密
- サティ:白い服、白い食事、白い音楽?
- ハイドンのユーモアが炸裂
逸話No1. ベートーヴェン:実力を見せつける即興バトル
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン。名前だけで、なんだか厳めしい雰囲気が漂ってきます。
さて、実際の彼はというと……ものすごく短気で、強烈なこだわりを持つ、いわゆる“我が道をゆく”人だったようです。名は体を表すという言葉がぴったりですね。
そんなベートーヴェンの逸話を一つ。
1800年のあるとき、同時代のピアニストであるシュタイベルトがウィーンで即興演奏を披露し、なかなかの喝采を浴びました。
これを見たベートーヴェン、黙っていられません。彼はシュタイベルトの楽譜を手に持ったかと思うと、なんと舞台上でそれを逆さにして即興演奏を始めたのです。しかもそれがあまりに見事だったものだから、聴衆はシュタイベルト以上に大喝采。シュタイベルトは恥をかいて街を去り、その後ベートーヴェンを目の敵にするようになったとか。
ちなみに、ベートーヴェンは朝のコーヒーにも異様にこだわりがあり、豆を「60粒」数えてから淹れていたという逸話もあります。何回も数え直していたのかと思うと…なんだか可愛らしく思えてきますね。
逸話No2. モーツァルトとムクドリ:鳥と交わした旋律の秘密
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト。その名を聞くだけで、軽やかで美しい旋律がふわっと頭に浮かぶような気がしませんか? でもこの天才、生活はけっこう自由奔放で、ときに風変わりな行動にも出ていたようです。
なかでも有名なのが、彼が飼っていたムクドリとの交流。1784年、モーツァルトはムクドリを購入します。
彼はこの鳥を非常に可愛がっており、大切に育てていました。
しかし、大切にするだけでは飽き足らないのがモーツァルトという男。
なんと彼が作ったピアノ協奏曲第17番のフレーズをムクドリに教え込み、そっくり歌わせたという逸話が残っているのです。
ムクドリは物真似が得意な鳥として知られており、この逸話の信ぴょう性も確かであるように思えますね。
このムクドリは、ペットとして3年間の生涯を過ごします。
モーツァルトはムクドリの葬儀を盛大に執り行い、詩を捧げて、きちんと埋葬までしたといわれています。鳥にここまで…と驚く一方で、彼の感性の豊かさにも少し感動してしまいますよね。
参考:https://en.wikipedia.org/wiki/Mozart%27s_starling?utm_source=chatgpt.com
逸話No3. サティ:白い服、白い食事、白い音楽?
次にご紹介するのは、フランスの作曲家エリック・サティ。彼は、いろんな意味で“異次元”の人でした。
まず、食事。彼は「白いもの」しか食べないという変なポリシーを持っていて、卵白、米、骨の髄、牛乳、白パン、白いチーズ…。とにかく白いものしか口にしないのです。
そこまでこだわるからには、よほど”白”が大好きなのかと思えば、そんなこともなく。
グレーの衣服にこだわったかと思えば、突然真っ黒な装束に身を包んだり。とにかく思考が読めません。
そんな彼だからこそ、代表曲「ジムノペディ」をはじめ、独創的な作品をいくつも世に残せたのかもしれません。
参考:https://www.beyondmag.jp/posts/814
逸話No4. ハイドンのユーモアが炸裂
クラシック音楽の中でも「親しみやすさ」では右に出る者がいない、ヨーゼフ・ハイドン。
彼は“交響曲の父”なんてかしこまった肩書きを持ってはいるものの、実はかなりのユーモア好きでした。
そんな彼がある日書いたのが、交響曲第94番《驚愕(サプライズ)》。この曲の裏にある面白い逸話を紹介します。
ハイドンが活躍した当時のロンドンでの演奏会。聴衆の多くが食後のワインとともに聴いていたため、みんな眠そうだったんです。居眠りする人もいたとか。
ハイドンには、それが面白くなかったんでしょうね。
《驚愕》の第2楽章。静かに穏やかなメロディが流れて、聴衆はウトウト……「ああ、いい夢見られそうだな」と思ったその瞬間――
バン!と大音量の和音が、オーケストラ全体で炸裂。
それまでウトウトしていた観客は、跳ね上がるように目を覚まし、会場はどよめきと笑いに包まれたそうです。
ハイドンは、作曲という堅苦しいものに、いつもちょっとした「ひねり」や「おどけ」を加える天才でした。笑わせようとしたり、びっくりさせようとしたり――そんなサービス精神の塊のような人だったんです。
参考:https://ontomo-mag.com/article/column/mystery-of-title01-20200701
おわりに:クラシック音楽は人間くさいから面白い
こうして見てみると、クラシックの音楽家たちは、どれもこれも、ちょっと変で、情熱的で、でもなんだか放っておけないような魅力を持った人たちばかりです。
彼らが作った音楽は確かに美しく、偉大で、永遠に語り継がれるもの。でも、その裏には、人間らしさ、あるいは不器用さが隠れていたのです。
そう思って聴いてみると――クラシックは、決して遠い存在じゃなくなるかもしれません。


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